01 リングに始めて触れた日

 少年がポケットをまさぐると、クシャッと小さな音がした。  2500円の、プロレスの指定席券が入っていた。  黄色い電車はもうすぐ、水道橋駅に着く。  少年の胸は高鳴った。  電車内にアナウンスが流れ、やがてスピードを緩めていく・・・  少年は、ドアが開くのと同時に我先にホームに飛び出し、改札を抜ける。  歩道橋を駆け抜けて野球場の横にあるビルを見つける。そのビルの5階が目的地だ。 …

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